韓国のテクノロジー大手であるSamsung Electronics(サムスン電子)が、第3四半期の営業利益が同社史上初めて100兆ウォンを突破し、過去最高になると予測しました。AI(人工知能)ブームに伴う半導体チップの需要急増が、この記録的な業績を後押ししていると報じられています。
歴史的な増益を記録する見通し
CNBCやEuronewsなどの報道によると、Samsungが発表した第3四半期の暫定営業利益は107.4兆ウォン(約802億ドル)に達し、同社の歴史の中で初めて100兆ウォンの大台を突破する見込みです。
この数値が確定すれば、テクノロジー企業が1つの四半期に記録した営業利益としては最大となり、米国のチップ設計大手であるNvidia(エヌビディア)が直近の四半期に記録した637億ドルを上回ることになります。また、前年同期の営業利益が12.17兆ウォンであったことを踏まえると、約782%という驚異的な増加率となります。
売上高についても約195兆ウォンと予測されており、これは前年同期比で約127%の増加に相当します。Samsungにとって、こうした記録的な四半期は今回で4回連続となります。
AIブームがもたらした「メモリ・ゴールドラッシュ」
今回の記録的な利益の主因は、AI向け半導体、特にメモリ部門の爆発的な成長にあります。
AIモデルの学習や実行には膨大なデータ処理が必要であり、AIプロセッサにデータを供給する「HBM(高帯域幅メモリ)」と呼ばれる積層チップの需要が、AIデータセンターを中心に急増しています。また、サプライチェーンの供給不足から、標準的なDRAM(ディーラム)やNAND(ナンド)などのメモリ価格も上昇しており、これが利益を押し上げたと分析されています。
投資プラットフォームeToro(イートロ)のAPACリードアナリストであるJosh Gilbert(ジョシュ・ギルバート)さんは、単一の質問に答えるチャットボットよりもはるかに多くのメモリを消費するAIエージェントの成長が、チップセクターの成長を支えていると指摘しています。また、メモリの買い手が数年間にわたる供給契約を結んでいるため、投資家が懸念していた次なる景気後退に対する見通しが改善しているとも述べています。
市場の厳しい期待と今後の課題
一方で、驚異的な数字を出しながらも市場の反応は複雑です。発表後の木曜日、ソウル市場でのSamsungの株価は下落しました。
eToroのGilbertさんは、Samsungが記録的な利益を出したにもかかわらず期待に届かなかったことは、AIトレードがいかに要求レベルが高くなっているかを示していると述べています。メモリメーカーへの期待があまりに高いため、努力だけでは市場に評価されない状況にあると分析しています。
また、メモリ価格の上昇は、Samsungが自社で展開するスマートフォンやテレビの製造コストを押し上げ、それらの部門の利益率を圧迫するという側面も持っています。一部の報道では、チップ部門がほぼすべての利益を稼ぎ出す一方で、携帯電話や家電部門では損失が出る可能性が指摘されています。
地政学的リスクと今後の展望
Samsungの好調な背景には、技術的な要因だけでなく地政学的な状況も影響しているとみられています。米国企業が中国のサプライヤーへの依存を減らそうとする中で、韓国のSamsungが提供するインフラは地政学的に安全な代替案となり、それが最先端チップのプレミアム価格に寄与しているという見方があります。
AIインフラへの需要は、メモリチップの供給を上回るペースで成長しており、この傾向は2027年まで続くと予測されています。
Samsungは、事業部門ごとの詳細な内訳を含む第3四半期の正式な決算結果を、今月29日に発表する予定です。
出典 CNBC Euronews Samsung's Q3 Profit Guidance Tops Analyst Estimates As AI Demand Outstrips Memory Supply Samsung expects record $80bn quarterly profit as AI memory demand soars Samsung Posts Record $80B Q3 Profit as AI Chip Boom Explodes | The Tech Buzz
ピックアップ記事



