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OpenAIが数学の未解決問題に新結果を公表、AIによる証明をGitHubで共有

AI開発のOpenAI(オープンエーアイ)社が、数学の未解決問題に関する新たな研究結果を公表しました。

OpenAI社の発表によると、同社はGitHub上のリポジトリに、AIモデルが導き出した数学的な原稿を公開しています。この中には、数学界で極めて重要とされるミレニアム懸賞問題の一つ、ナビエ・ストークス方程式の存在と滑らかさに関する問題への解が含まれていると報じられています。

調べてみると、今回の発表は単なる結果の提示にとどまらず、AIがどのように数学的証明を導き出すかというプロセスや、その検証方法についても触れられています。

目次

公開された成果の内容と検証方法

今回の公開では、372のファミリーに分類された計722件の数学原稿が提供されています。これらは数論、幾何学、理論計算機科学、代数、数理物理学、微分方程式など、幅広い分野にわたる問題への解決策を提示しているとみられます。

特に注目されているのが、ナビエ・ストークス方程式に関する証明です。この方程式は水や空気などの流体の流れを記述するものですが、特定の条件下で方程式が破綻し、流体が無限の速度を持つといった不可能な状態(特異点)が発生するかどうかが長年の課題となっていました。OpenAI社は、流体の流れが有限時間内に特異点を形成し得ることを示す解析的な証明を得たと説明しています。

また、AIが生成した証明が正しいかどうかを検証するため、Lean(リーン)というプログラミング言語が活用されています。Leanはコンピュータで数学的証明をチェックできる言語であり、多くの成果物がこの形式で共有されています。OpenAI社は、コンピュータで検証可能な形式にすることで、科学的な透明性と開放性を高めたいとしています。

計算コストについても言及されており、1つの結果を得るために平均してChatGPT Proの思考機能に相当する約3時間の計算量を用いたとされています。

数学コミュニティとの摩擦と論争

一方で、今回の発表は数学界に波紋を広げています。特に、成果の導出過程におけるクレジット(功績の帰属)を巡るトラブルが報じられています。

MIT Technology Reviewなどの報道によると、ニューヨーク大学の数学者であるトリスタン・バックマスターさんと、Anthropic(アンソロピック)社の従業員であるレベント・アルペゲさんが、同様の問題にAIを用いて取り組んでいたことが明らかになりました。バックマスターさんは、自身の進捗に関する情報がOpenAI社に伝わり、それが同社の取り組みのきっかけになったと主張しています。

これに対し、OpenAI社の技術スタッフであるセバスチアン・ブベックさんは、これらの主張は嘘であり、扇動的であると述べています。しかし、OpenAI社としての公式な見解では、自社製品の利用から得られた匿名化データがモデルの改善に役立った可能性を完全に否定できないとしています。

こうした状況を受け、Fields(フィールズ)賞受賞者25人と、著名な数学者のテレンス・タオさんらが連名で、数学におけるAIの深刻な不整合に関する声明を発表しました。彼らは、AIラボが管理するリポジトリではなく、独立した学術リポジトリに結果を預けるべきであることや、結果の発表をモデルのマーケティング手段にすべきではないことを求めています。

AIと数学の未来への影響

今回の出来事は、AIが数学という極めて厳密な分野において、人間を補助するツールから、自ら未解決問題を解き明かす主体へと進化しつつあることを示唆しています。

OpenAI社は、AIによる主要な結果を理解するためのワークショップやカンファレンスへの資金提供を予定しており、科学者が最先端の能力を直接利用できるようにしたいと考えています。また、これらの結果を導き出した内部モデルについても、責任ある形でのリリースに向けて取り組んでいると説明しています。

しかし、数学的な真理を追求することを目的とする研究者たちにとって、AIによる大量の証明が短期間に投下される現状には戸惑いもあるようです。Scientific Americanの報道によれば、提示された証明が既存の手法の組み合わせに過ぎないのか、あるいは全く新しい重要なアイデアを含んでいるのかを判断するのに、数学者たちは数ヶ月を要するとみられています。

AIが数学のフロンティアを押し広げる可能性を持つ一方で、学術的なコラボレーションの規範や、人間である数学者の役割をどう定義し直すべきかという大きな問いが突きつけられています。

出典 Sharing AI progress in mathematics OpenAI unleashes hundreds more math results upon a field already in shock What OpenAI’s latest controversy tells us about the future of math OpenAI Releases 722 Math Manuscripts From an Unreleased AI Model – Unite.AI OpenAI Claims 100+ Math Problems Solved in 24 Days, and a Credit Dispute Is Already Underway — Glitchwire OpenAI’s 722 Math Manuscripts: The Results, Proofs, Compute and Costs Caltech students organized a ‘Mathathon’ sponsored by Anthropic and OpenAI. Then came the backlash | LAist

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