俳優のニコラス・ケイジさんが、AmazonによるAI利用の同意書への署名を拒否し、同社との今後の協業について否定的な考えを示したことが報じられています。
この話題は、2026年10月10日に開催されたニューヨーク・コミコンのパネルの中で明かされました。ケイジさんは、出演していたシリーズ「Spider-Noir」において、AIの使用を許可する同意書(ウェイバー)への署名を求められたが、それに同意しなかったと述べています。
AIに対するケイジさんの強い懸念
ケイジさんは、自身について「I'm not an AI-friendly actor」(私はAIに好意的な俳優ではない)と語り、AI技術によるパフォーマンスの操作に強い警戒感を示しています。
特に、俳優がAIロボットに自分の演技を少しでも操作させることは行き止まりであると考えており、一度でも許せば、やがて芸術の誠実さや純粋さ、真実味がすべて経済的な利益によって置き換えられてしまうと懸念しています。また、ロボットは私たちのために人間のあり方を反映することはできないという持論を展開しています。
こうした信念に基づき、ケイジさんはAmazonという企業に対する見解も述べています。AmazonはOpenAIに500億ドルを投資している非常にAIに友好的な企業であると指摘し、自身の立場との乖離を「状況を察してほしい」という言葉で表現しました。
今後の活動とAmazonとの関係について
今回の同意書拒否に伴い、ケイジさんは「I’m probably not going to be working with that studio again」(おそらくあのスタジオとは二度と仕事をしないだろう)と述べ、Amazonとの再協業の可能性を否定しています。
一方で、今後の俳優としての活動については前向きな姿勢を見せています。ケイジさんはYouTube文化などを通じて独自のやり方で制作を行うZ世代の若い監督たちと共に仕事をしたいと考えており、彼らがゼロから手作業で作品を作っている点に注目しています。具体的には、YouTuberから監督に転身したケイン・パーソンズさんについて好意的な言及をしていました。
また、今後の予定として、別のテレビシリーズに再び出演するつもりであることも観衆に明かしています。
背景:作品のキャンセルとAIを巡る対立
ケイジさんが出演していた「Spider-Noir」は、エミー賞に11部門でノミネートされ、Prime Videoでの配信開始後6週間で26億分の視聴回数を記録するなど、大きな成功を収めた作品でした。しかし、このシリーズはキャンセルとなったと報じられています。
Amazon側がキャンセルの理由を公式に発表したわけではありませんが、ケイジさんがAI利用の同意書への署名を拒否したことが、何らかの影響を及ぼした可能性が示唆されています。
ハリウッドでは近年、生成AIによる俳優のデジタル複製や演技の改変を巡って、多くのタレントやクリエイターが反対の声を上げています。ケイジさんの今回の行動は、そうした業界全体の潮流の中でも、自身のキャリアと芸術的誠実さを守るための明確な意思表示といえるでしょう。
まとめると、ニコラス・ケイジさんはAIによる演技の操作が芸術性を損なうと考えており、その信念を貫くためにAmazonの提示した条件を拒否しました。結果として大手スタジオとの関係に影響が出たものの、本人はそれを許容し、より人間的な創造性を重視する若い世代のクリエイターとの協業に期待を寄せているようです。
出典 Variety The Hollywood Reporter Nicolas Cage Says He'll 'Probably Never Work With' Amazon Again After Declining Spider-Noir AI Waiver Nicolas Cage Sharply Criticizes Amazon Contract After Spider-Noir Cancellation
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