MENU

DraftKingsがAIでギャンブラーを標的にしたとして集団訴訟

オンラインギャンブルプラットフォームを運営するDraftKings(ドラフトキングス)社が、AI(人工知能)を用いてギャンブル依存の傾向があるユーザーを標的にしたとして、集団訴訟を起こされました。

ボストンを拠点とする同社が、利益を得るためにギャンブル依存を助長させる略奪的なAIモデルを使用したと主張されています。

目次

訴訟の経緯と主張の内容

今回の訴訟を提起したのは、ウェストバージニア州のダニエル・ベストさんです。ベストさんは、DraftKingsを通じて数千ドルを失ったとして、自身および同様にターゲットにされたプロモーションを受け取ったすべてのユーザーを代表して、マサチューセッツ州の連邦地方裁判所に提訴しました。

訴状によると、ベストさんは9月26日までの1か月間に、さらに多くのお金をギャンブルに費やすよう促すメールやテキストメッセージ、通知などのメッセージを約70通受け取ったと述べています。

訴訟では、DraftKingsがAIを武器化し、ユーザーの脆弱性を理解し利用することで、会社に金銭的な利益をもたらしたと主張されています。具体的には、以下のような手法が取られていたと報じられています。

  • 各ユーザーの支出習慣や、通常どれくらいの金額を失っているかなどのデータポイントを収集・分析していた。
  • ユーザーに「エラスティック(弾力的)」という分類を割り当て、そのようなユーザーに特別なプロモーションやインセンティブを送り、賭博を続けさせた。
  • ユーザーがプラットフォームを離れようとしていることを特定し、再び引き戻そうとするシステムを構築していた。

また、同社がこのような目的でAIや機械学習を使用していることをユーザーに開示せず、マサチューセッツ州法に違反したとも主張されています。

背景にあるAIモデルと内部証言

この問題の背景には、ニューニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times)による調査報告があります。報道によると、DraftKingsは「弾力性スコア」と呼ばれるシステムを運用していたとみられています。

このスコアは、プロモーションに1ドル費やすごとに、その顧客からどれだけの収益が得られるかを測定するものです。モデルの構築には、賭けの頻度、口座残高の変動、過去の損失額、そしてギャンブルを完全にやめる可能性などが利用されていたと報じられています。

元社員の一人は、このプログラムについて「It is as predatory as it sounds」(聞いている通り略奪的だ)と述べていたことが訴状に引用されています。また、元データアナリストのジェイデン・バッツさんは、投資として適した特性や特徴を探しており、最高の投資先は問題のあるギャンブラーになる、という主旨の説明をしていたと報じられています。

さらに、同社はギャンブル依存症に陥る可能性のある人物を予測し、警告を出したりアカウントを停止したりするための同様のテクノロジーを導入しようとする取り組みを、停滞または阻止していたという元社員たちの証言も出ています。

DraftKings社の主張と反論

これらの一連の主張に対し、DraftKings社の広報担当者は声明を出し、損失に基づいた顧客へのターゲット設定にAIを使用していないこと、また潜在的な問題のあるゲーミングの指標に基づいてAIを使用していないことを述べています。あわせて、「We intend to vigorously defend any potential lawsuits on the matter」(この件に関する潜在的な訴訟に対しては、精力的に防御するつもりだ)と表明しました。

同社の最高経営責任者(CEO)であるジェイソン・ロビンスさんもインタビューに応じ、問題のあるゲーミング問題を抱える人々を標的にするモデルを構築しているという報道は事実ではなく、それは「slanderous」(中傷的)であると反論しています。実際には、問題のあるゲーミング問題を抱えているかを確認し、警告を与え、必要であればアカウントを閉鎖するように伝えていると述べています。

規制当局の動き

この問題を受けて、DraftKingsなどのギャンブル企業を監督するマサチューセッツ州ゲーミング委員会(Massachusetts Gaming Commission)は、同社を含む州内で運営している企業のAI利用状況について調査を行うとしています。

委員会のジョーダン・メイナード委員長は、AI技術が社会全体で急速に進化しており、その適用については懸念を共有していると述べています。また、同委員会は以前から、業界全体でAIがプロモーションや顧客獲得、責任あるギャンブルツールにどのように利用されているかを調査する研究をネバダ大学ラスベガス校に依頼しており、そこでガバナンスの欠如が指摘されていたという背景もあります。

ほかにも、マサチューセッツ州のアンドレア・キャンベル司法長官やダイアナ・ディゾーリオ州監査役の事務所もこの訴訟を確認しており、特に依存症に脆弱な消費者を標的にしたり利用したりする可能性について、深刻な懸念があるとの見解を示しています。

また、別の訴訟では、DraftKingsやFanDuel(ファンデュエル)などの企業が、AIやスポーツ分析などの技術を武器化して賭けを簡単で魅力的なものにし、依存症を悪化させたとして、過失や設計上の欠陥などが訴えられています。

出典 The Boston Globe MassLive New lawsuit claims DraftKings uses AI to target problem gamblers | WBUR News DraftKings sued over alleged AI-targeted gambling promotions – WCVB DraftKings 'Free Bet' Promos Targeted Problem Gamblers Using AI: Report – AboutLawsuits.com DraftKings Sued Over Alleged AI Targeting of Losing Bettors Massachusetts Regulators Move to Examine DraftKings' Use of AI on Bettors – Startup Fortune DraftKings, FanDuel, NFL, Others Sued Over Microbetting Addictions

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次